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建築基準法を知ろう

更新日:2020年3月8日

建築設備を語るうえで、設備だけを知っておけばいいわけではありません。

技術的なことだけでなく、法律(ルール)も重要なのです。


ここでは、法律のなかで特に基礎となる「建築基準法」について記述します。


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建築基準法の仕組み

建築基準法は、建築物に関して最低限守らなければいけない基準です。

国民の「生命・健康・財産の保護」と「公共の福祉」を念頭においてつくられています。

それは、「法」「施行令」「施工規則」で構成されています。


「法」は、以下の4つの規定に分類されます。

・建築物を建てようとする際の申請や審査、検査の義務などについての手続規定

・構造や強度、防火、避難、衛生など、建築物自体の安全性を確保する単体規定

・道路幅員や用途地域など周辺の環境条件に応じた高さ制限など周囲の環境と建築物の形態の関係を定めた集団規定

・違反に関する是正や違反者に対する懲役、罰金の命令・罰則規定


また、これらには、法の内容を補う4つの別表があり、「別表第1:特殊建築物の例示や耐火要求のかかる階数や面積基準」・「別表第2:用途地域での建築物の制限基準」・「別表第3:道路斜線制限」・「別表4:日影規制」の基準があります。


施行令は、法を具体的に規定したものです。

施行規則は、確認申請書に必要な図面や明示する事項、各種書類の様式や軽微な変更を規定しています。


このほか、耐火建築物の基準や不燃材料の基準、構造方法、条文に関する事項など、国土交通省告示として追加して建築基準法の具体的部分を補っています。


建築における行政の仕組み

建物をたてる際、建築主事や指定確認検査機関は、建築確認などを行います。

その内容に不服がある場合、その地域の建築審査会に異議を申し立てて争うことができます。

国土交通省や特定行政庁は、指定確認検査機関に立入検査したり、報告の提出を義務付けて審査や検査が適正におこなわれているかチェックしたりする権限をもっています。

また特定行政庁は、既存の特殊建築物や一定規模以上の建築物に定期報告の制度を設け

維持管理が適正におこなわれるようチェックしています。


建築確認申請の流れ

確認申請とは、建築前に建築主事か指定確認検査機関に申請書を提出し、建築内容が建築基準法に適合するか確認審査してもらう手続きのことです。

申請は建築主がおこなうのが原則です。申請内容が設計と深く関わっているため、設計者が代理でおこなうのが一般的です。


中間完了検査の流れ

確認済証交付後に着工となります。施工中も行政庁の条例や法で決められた時点で、中間検査申請をして、検査を受けて、中間検査合格証の交付を受けなければならないのです。

工事完了日から、4日以内に建築主事に完了検査申請をする必要があります。建築主事は、申請受理日から7日以内に検査をしなければなりません。

検査済証が発行されると建築物が利用できます。なお、都市計画の区域や建築物の用途、規模、工事種別で手続き上確認申請が不要となる場合もあります。


建築基準法関係規定

建築物を建てる際に、建築基準法と同様に対象となる法律があります。

建築基準法施行令9条に規定された消防法等の16の法が「建築基準関係規定」といわれ確認申請や検査の対象となります。

建築基準関係規定以外にも、「都市緑地法」「バリアフリー法」「建築物省エネ法」は各法文のみなし規定で確認申請や検査対象となります。


建築基準関係規定(令9条)

1.消防法(9条)

2.屋外広告物法(3-5条)

3.港湾法(40条)

4.高圧ガス保安法(24条)

5.ガス事業法(40条)

6.駐車場法(20条)

7.水道法(16条)

8.下水道法(10,30条)

9.宅地造成等規制法(8,12条)

10.流通業務市街地の整備に関する法律(5条)

11.液化石油ガスの保安の確保及び取引の適正化に関する法律(38条)

12.都市計画法(29,35,41,42,43,53条)

13.特定空港周辺航空機騒音対策特別措置法(5条)

14.自転車の安全利用の促進および自転車等の駐車対策の総合的推進に関する法律(5条)

15.浄化槽法(3条)

16.特定都市河川浸水被害対策法(8条)


建築基準関係規定とみなす規定例

1.高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律(14条)

2.都市緑地化法(41条)

3.建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律(11条)






 
 
 

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