建築物の基礎を知ろう
- 栃木 章
- 2020年2月20日
- 読了時間: 3分
今回スポットをあてるのは基礎です。
建物を建築する際、「どんな間取りにするか?」「壁紙はどうするか?」といったことに関心を示す人は多いです。が、「基礎工事」となると目にみえないため「よくわからない」人も少なくありません。 基礎工事は作業自体がとても地味で、建築後は外からまったく見えなくなる部分なので、興味がわかないのも無理です。
完成した建物の状態から見えているのは地上に出ている部分のみですが、地面の下に隠れている部分は一体どのようになっているか?
基礎の形や造り方も建物によって様々です。基礎がどのようにつくられているのか、解説したいと思います。
基礎工事を知ろう
基礎工事とは、地面と建物のつなぎ部分にあたる「基礎」を造るための工事のことです。 何か物事を始めるときに「基礎が大事」とよく言われますが、それは家づくりも同じです。 なぜかというと、基礎は建物のすべてを支える土台であり、その土台がしっかりしてこそ家が傾かず、丈夫で長持ちするからです。
ただし、基礎の下には地盤があることも、忘れてはいけません。 基礎工事を行う前にしっかりと地盤調査を行い、軟弱な地盤であれば、地盤の固いところまで杭を打つといった地盤改良工事をする必要があります。 こうした対策をすることによって、基礎はゆるぎのない「家の土台」となります。
基礎工事の方法を知ろう
基礎工事の方法には、主に「ベタ基礎(防湿基礎)」と「布基礎」の2種類があります。
ベタ基礎(防湿基礎)
ベタ基礎(防湿基礎)は、現在多くの建築物が取り入れている基礎工事の方法で、建物の底一面を鉄筋コンクリートの基礎で支えます。安定性が高く、地震の揺れや不同沈下にも強い造りになっています。
ベタ基礎にすると、地面から上がってくる湿気や白アリを防ぐこともできるので、建物の品質を長く保つことができます。ただし、コスト的には布基礎に比べると割高です。
布基礎
「布基礎だから、どこかに布を使うのでは?」と思っている人もいるのですが、そういうわけではありません。
布基礎は、建物の柱や壁の部分にコンクリートを打設(建築の基礎となるコンクリートを、枠の中に流しこむこと)する基礎工事の方法です。 ベタ基礎が建物を"面"で支えるのに対して、布基礎は壁面に沿って"線"で支えると考えれば、わかりやすいでしょう。
「布基礎だから、どこかに布を使うのでは?」と思っている人もいるのですが、そういうわけではありません。
漢字の布には"平らに伸びる"という意味があり、壁面に合わせて平らに伸びる基礎の特性から、布基礎と名付けられたとも言われています。 語源には諸説あるようですが、いずれにしても布基礎に使われるのは布ではなくコンクリートで、どのようにコンクリートを打設するかによって「ベタ基礎」と「布基礎」に分かれています。
布基礎はベタ基礎に比べてコストが低い、柱や壁にかかる荷重を受け止めやすいなどのメリットがあります。 その反面、地面からの湿気によってカビや白アリが発生する危険性があり、建物が古くなるとバランスが崩れてしまうケースもあります。
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